メイクセラピーとは化粧により外見を綺麗にするだけでなく、その施術により利用者本人も前向きになれるという、内外から利用者を輝かせる化粧療法の一つです。
メイクセラピーを行うメイクセラピストは、個人のセンスなどではなく色彩学や印象分析などの理論に基づいた化粧を施します。その過程においては「なりたい自分になる事」「自分らしくなる事」が何よりも重要視されるため、化粧を施される本人にとっても自己実現の場になり得ます。
現時点では「治療法」としては確立されていないものの、この自己実現により心理的・対外的な効果が期待できるとされており、加えて化粧の際に顔のマッサージを受けたり、本人が自らの手を動かしたりすることにより身体的なリハビリ効果にもつながるのではないかと期待されています。
この化粧療法の根本にある考えは「綺麗になることで自分を取り戻す」というものですから、施術は化粧に限りません。ネイルケアやスキンケアなどその内容は多岐にわたり、メイクセラピストが自ら利用者に施術・指導を行うことで、その人本来の輝きを取り戻していくことにつながります。
これは外見至上主義(ルッキズム)などとは全く別の概念であり、外見に変化をもたらすことでネガティブな思い込みの解消が期待できるとされているのです。特に80~90代の年配の女性は「身綺麗にしたい」と思いつつも「派手になるべきではない」という意識が働き、結果として自己評価が落ち込んでしまうというケースが少なくありません。
メイクセラピーとは、利用者の身体をケアすることによりその心までも花咲かせるという、非常に大事な取り組みと言えます。